その他中耳炎
中耳炎とは、耳の奥の鼓膜のすぐ内側にある「中耳」で炎症が起こることです。
中耳炎では、小さい子供によく起こる「急性中耳炎」、急性中耳炎からの移行で発症することが多い「滲出性中耳炎」が一般的と言われていますが、それ以外にも様々な種類が存在します。急性中耳炎などで鼓膜に空いた穴がふさがらず炎症を繰り返す「慢性中耳炎」、鼓膜の奥に真珠のような塊ができる「真珠腫性中耳炎」、好酸球性副鼻腔炎の合併症として出現することが多い「好酸球性中耳炎」などがあります。
症状や原因、治療方法も異なり症状がないまま進行していくものもあります。
種類が異なる中耳炎では、原因もさまざまです。慢性中耳炎の原因は、中耳炎によって鼓膜に空いた穴が塞がらないことです。それを原因として、炎症や感染を繰り返します。
真珠腫性中耳炎は真珠腫塊が異常繁殖する病気です。
真珠腫とは皮膚が粘膜の中に入り込みその中で炎症をおこし、「塊」のように大きくなったものを言います。
原因の特定が難しいですが、白血球のうちの一つの好酸球という細胞による炎症が原因といわれています。
さまざまな中耳炎の症状
慢性中耳炎の症状の特徴
- 耳だれ
- 難聴
- めまいや顔面神経麻痺(悪化した場合)
- 真珠腫性中耳炎の症状の特徴
- 耳だれ
- 難聴
- 耳閉感
- めまい
- 初期はほとんど症状がない
好酸球性中耳炎の症状の特徴
- 耳だれ
- 難聴
- 痛み
- 耳閉感
- 鼻づまり
中耳炎の治療
治療方法も種類によってさまざまです。慢性中耳炎の場合には耳だれを止めるために、抗生物質や点耳薬を処方したり、定期的な耳の洗浄を行うなどの治療法があります。
ですが、こちらは対処療法→対症療法となり根本の治療にはなりません。
鼓膜にあいた穴をそのままにしていると再発してしまうので、鼓膜形成術、鼓室形成術などを用いた手術が必要となります。
真珠腫性中耳炎の治療方法は現在、手術のみとなります。鼓室形成術や乳突削開術を用いた外科的手術を行うこととなります。
好酸球性中耳炎の治療方法としては、主にステロイド内服、鼓室内ステロイド投与を行い好酸球の拡大、増加を防ぎます。ただし、長期的なステロイド内服は副作用が懸念されるため、可能な限り局所投与による治療が望ましいです。