風邪
風邪とは、正式名称を「風邪症候群」といい上気道に炎症が起こる病気です。上気道とは鼻腔から喉頭までの気道のことを指します。
ほかにも、急性上気道炎・感冒(かんぼう)と呼ばれることもあります。あらゆる年齢層の方に発症し、幼児は年間平均6~7回・大人は平均2~3回風邪をひくというデータがあり、とても身近な疾患といえます。
感染経路としては、飛沫感染・接触感染空気感染があり、秋から春にかけて流行のピークを迎えます。
風邪の原因のほとんどが、ウイルス感染によるものです。風邪ウイルスの数は200種類以上といわれていて、年々変異するため繰り返しかかってしまうことがあります。
そのウイルスなどが上気道から感染し、体内で増殖することから発症します。ウイルス以外では、まれに肺炎マイコプラズマなどの細菌が原因となる場合もあります。
風邪の原因となる主なウイルスは下記のようなものがあります。
- コロナウイルス
- ライノウイルス
- RSウイルス
- アデノウイルス
- パラインフルエンザウイルス
- インフルエンザウイルス
風邪の症状
風邪の主な症状としては、のどの痛み・くしゃみ、鼻水、鼻づまり・咳・発熱・頭痛があり大体は2,3日でピークを迎え1週間程度で治ることがほとんどです。
ただ、それ以上たっても症状が改善されない場合、副鼻腔炎や中耳炎、気管支炎などの合併症を引き起こしている可能性があります。ひどい場合は、脳症・髄膜炎を引き起こすことがありますので注意が必要です。
小さな子供や高齢者、妊婦の場合は抵抗力が弱いことから風邪を引きやすい傾向があるので、外出時のマスク・帰宅時の手洗い、うがい等で予防をしましょう。
風邪の治療
ウイルス感染による風邪は基本的には治療は必要なく、安静にして水分栄養をしっかり摂ることで自然に治ることがほとんどです。症状がつらい時には対処療法として、解熱鎮痛剤・鎮咳薬・抗アレルギー薬・抗炎症薬などを処方することもあります。
また、抗菌薬(抗生物質、抗生剤)はウイルスには効果がないばかりか耐性菌を増やす原因になってしまうので基本的には処方しておりません。ただし、細菌感染が疑われる場合やリスクのある患者さんに対しては抗菌薬投与を行うこともあります。